― ご苦労されましたね 他にも大変なことがありましたか?
最初に準備を開始したときは中国がコロナゼロ政策を採っていたため国に戻ることが出来ず、ほとんどの書類を集めることが出来ませんでした。準備できないので受験は見送りです。
再度気を取り直し、去年の4月にコロナゼロ政策が終わった中国に戻って私が卒業した学校を現在引き継いでいると思われる学校を探し当てて、やっと学校関係の必要書類を入手することが出来ました。
― それで申請が出来ることになったのですね?
いいえ、そろえた書類とすべての書類の日本語訳を付けて、いったん厚労省の担当官にWEBでチェックしてもらいます。それで問題がなければそれらの書類に公証を貰います。公証は国によっては日本にある領事館でもらうことが出来ますが、中国の場合は本国の公証役場へ行かなければ出来ません。また、中国の役所は気温が35℃以上になると休みになります。公証のためにどのくらい時間がかかるか分からないため、航空券は片道ずつ購入しました。
― 公証はすぐにできましたか?
いいえ、これも苦労がありました。学校関係の書類は比較的簡単に公証してもらえました。しかし、法令関係については簡単ではありません。国の法令を公証役場が公証する権限がないということが理由でした。そこで私は、法令を印刷した資料を弁護士事務所に持っていき、弁護士から国の法令であることを認めるサインをもらって、やはりそれにも日本語訳を付けて役場に届けました。そして公証役場は公証をくれました。
― それで受験資格を得ることが出来たのですか?
はい。公証を終えて揃った書類を厚労省に提出して最後の個人面談を霞が関で受けました。
「受験資格 認定書」が届くまではハラハラドキドキ、落ち着かない毎日でした。
― 届いた時の気分は?
はい。それはもう大変な喜びでした。試験はこれからなのに既に日本の看護師になったような気分でした。